フランスでの正しい請求書の書き方についておさらい! 請求書をきちんと作れていますか?

経営

2/2/20241 分読む

会計にかかわる職業上これまであらゆる組織の発行するたくさんの請求書を見てきましたが、小さな会社やフリーランスの方の発行する請求書には規準をみたしていない請求書がちらほら。。。請求書ひとつにも色んな決まりごとがあるんです。以下の項目をしっかり確認して正しい請求書を作っていきましょう。

請求書の基本ルールを再確認
  • フランスで発行される請求書はフランス語で作成されること(条件を満たせば例外も)

  • 原本は二通作ること(クライアントに送付するように一通、発行者の保存用にもう一通)

  • 以下の必要記載事項が記されていること

では請求書に書き記すべき項目を順にみていきましょう。

フランスで作成する請求書の必要記載事項
  • 日付

会計の世界では、日付というのはとても重要な項目です。たまーに日付のない請求書に出会うと会計士は冗談ではなく途方にくれますので、日付は間違いなく明記してください。サービス提供や物品売買の日付ではなく、請求書発行の日付ですよ。

  • 請求書番号

番号は欠けることなく、時系列につけましょう。また、ひとつの請求書につきひとつの番号。同じ番号を複数のちがう請求書につけることはできません。番号は続いていくのが原則ですが、管理の便宜上、番号の頭に年の数字をつけるなどするのは構いません。その場合でも、下の桁は請求書番号の継続がわかるようにしましょう。

   例)

     請求書番号 2300657  2023年12月28日発行

     請求書番号 2300658  2023年12月31日発行

     請求書番号 2400659  2024年1月4日発行

  • 物品売買、サービス提供の日付

  • 請求書発行者に関する情報

-会社名

-住所

-SIRENあるいはSIRET番号、法的会社形態、資本金(法人の場合のみ)、RCS番号と登記されている都市(アルティザンの場合はnuméro au répertoire des métiersと登記されている都市)

  • クライアントに関する情報

-名前

-住所

-配送住所

-請求書送付先住所(配送先と違う場合のみ)

  • 発注書番号

あらかじめ発注書が発行されていればその番号を明記します。発注書が存在しない場合は必要ありません。

  • TVA番号

請求書発行者とクライアントのTVA番号も記載します(TVA非課税事業でTVA番号がない場合は必要なし)。税抜き150ユーロ以下の請求書の場合はこの項目は割愛しても構いません。

  • 取引内容、品名

商品名、個数、税抜き単価などを記載します。

  • TVAの税率

特に複数の異なる税率が適用される場合は、行ごとにわけて明記しましょう。

  • 値引き

商取引による値引きがもしがあれば合計額の前に記載します。

  • 合計額

税抜き額と税込み額を両方書きましょう。

  • 支払いについての情報

-支払期限

-支払期限よりも早く支払うことで得られる割引率があればその旨明記

-支払いに遅延が生じた際の遅延損害金

  • 2年の法的保証期間が存在すること

2021年7月より、家電、カメラ、AV機器や時計、照明器具の購入には、2021年5月18日の政令 n°2021-609により2年の法的保証期間があることを明記することが義務付けられています、

  • そのほか請求書発行者のシチュエーションによって必要となる記載事項

請求書発行者がAssociation agréée に登録している場合

« Membre d'une association agréée, le règlement par chèque et par carte bancaire est accepté ».

請求書発行者が売上高の基準を満たさず、一般税法典CGI 第293条Bに基づいてTVAの納税を免除されている場合

« TVA non applicable, art. 293 B du Code général des impôts ».

下請け企業ではなく発注企業がTVAを申請・納税する場合(autoliquidation de la TVA)

« auto-liquidation de la TVA ». « montant hors taxe »との記載も忘れずに。

アルティザンや個人事業主などで保険が義務となっている工芸活動を行っている場合

加入している保険についての情報

 

おわりに

今のところ、B2Bの請求書の作成に専用ソフトを使うことは義務付けられてはいません(個人消費者が顧客のB2Cに関しては基本として政府の認定したレジソフトを使用することが2018年から義務化されています)。ワードやエクセル、政府の認定していないソフトやはたまた手書きでも請求書を作成、発行することは2024年現在可能ですが、これからやってくるe-invoicingに対応するためにも、また、以上のような項目をすべて網羅した請求書をミスなく効率的に作成・管理するためにも請求書作成ソフトはとても便利です。市場にはたくさんのソフトがでています。使用頻度や機能、予算にあったものを今から探してみるのをおすすめします。

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参考サイト

https://www.economie.gouv.fr/entreprises/factures-mentions-obligatoires#

https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000043511875

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