新しい申告義務 e-reportingとは?
デジタル化
3/19/20241 min lire


2026年より、請求書をデジタルフォーマットで受領、発行することが義務づけられるe-invoicingについてはこちらの項ですでに紹介しました。e-invoicingを補足する形で企業に同時に義務化されるのがe-reportingです。多くの企業が対象となるこの新しい申告制度。e-invoicing とあわせて、施行までにしっかり確認しておきましょう。
e-reportingとは?
e-reportingは企業が営む経済活動にかんするいくつかの情報をフランス税務当局へ申告すべしという新規則です。ある一定の期間において、売上がいくらだったのか、そこにかかったTVAの額、率など、e-invoicingと同じく政府指定のプラットフォームにて関連データを送信します。主にTVAに関する不正対策として、またTVA申告の簡易化をめざして導入されます。e-invoicing同様、申告は任意ではなく義務となります。
請求書のデジタル化およびその送受信ポータルの共通化、とe-invoicing の焦点が請求書のみにおかれているのに対して、e-reporting では扱われる情報の範疇がもう少しひろく、1)売買に関する情報、2)支払いに関する情報(指定の役務提供に関して)を申告すること、となっています。
どんな業務が対象?
e-reportingはe-invoicingの対象から外れた業務や取引が対象となります。具体的には、主につぎのような業務に申告の義務が生じます。
TVA課税対象の企業が個人消費者向けに行う事業(BtoC事業)
EU圏内、圏外への輸出販売(購入者が企業でも個人でも)
EU圏内での商品やサービスの購入
どんな企業が対象?
フランスでTVAの課税対象となっている企業で、上に述べた業務を行うすべての組織にe-reportingの義務が課せられます。飲食業や小売業、美容院など個人を顧客として事業をおこなう企業はすべて対象になるので、この稿を読んでいる方の多くにもあてはまるかもしれませんね。
また、フランス企業でなくても、フランス国内の個人消費者のもとでTVA課税対象となる事業を行う場合も、あてはまる業務に関して活動内容を申告をしなければなりません。
施行はいつから?
e-invoicingと同様の以下の日程が予定されています。
大企業及び中規模企業: 2026年9月1日
中小企業及びマイクロ企業: 2027年9月1日
大企業 :従業員5,000人以上、または売上高15億ユーロ以上、総資産20億ユーロ以上
中規模企業 : 従業員数5,000人以下、売上高15億ユーロ以下、または総資産20億ユーロ以下
中小企業 : 従業員数250名以下、売上高5000万ユーロ以下、または総資産4300万ユーロ以下
マイクロ企業 : 従業員数10名以下、売上高200万ユーロ以下、または総資産200万ユーロ以下
どうやって申告する?
政府指定のプラットフォーム上で一定期間にかんする情報をまとめて申告します。個人消費者を顧客として事業を行う企業はレジのデータ(フランスでTicket Zと呼ばれるまとめデータですね)を送信することで申告できます。もし、使用しているレジにより、プラットフォームにて送信できる形式でデータファイルをエクスポートできない場合、プラットフォームで情報を手入力するも可能です。
申告の頻度と時期は?
申告の頻度と時期は、それぞれの企業のTVA課税制度によります。
TVAを月次申告をしている通常課税制度の企業の場合は月に3回
該当月の1日から10日までのデータ・・・その月の20日までに申告
該当月の11日から20日までのデータ・・・その月の30日までに申告
該当月の21日以降のデータ・・・翌月の10日までに申告
四半期ごとにTVA申告をしている通常課税制度の企業の場合は月に1回
該当月にかんするデータを、その翌月の10日までに申告します
TVAを年次申告をしている簡易課税制度の企業も月に一回
該当月にかんするデータを、その翌月の25日から30日までの間に申告します
一般税法典CGI 第293条Bに基づいてTVAの納税を免除されている企業は2カ月に一回
申告する二か月分にかんするデータを、該当月の翌月の25日から30日までの間に申告します。
B2BとB2Cのどちらも行っていたら・・・?
企業によっては、法人のクライアントもいるし個人の顧客もいる、というケースもありえますよね。その場合、e-invoicing とe-reportingの両方の義務を履行することになります。
TVAの申告はどうなる・・・?
e-invoicing とe-reportingが導入されても、TVAの申告はこれまで通りです。
おわりに
e-invoicingとe-reportingという二つの新システムが同時に導入されるうえに、e-reportingは申告の頻度もなかなか高い・・・ということで、最初のうちは事務プロセスに組み込むこと、新しいタスクのリズムに慣れること、に手こずってしまうことも想定されます。来るべき変化について今のうちから理解を深め、ソフトやITツール等、作業を簡単にしてくれそうなものを最大限味方につけて準備を進めたいですね。
また、ご自身の会社の業務の特性にあわせてタックス業務を担当している会計事務所と前もって相談し、申告プロセスがスムーズにいくよう連携をはかっておきたいところです。
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参考になるサイト
https://www.legifrance.gouv.fr/codes/article_lc/LEGIARTI000006309552
https://www.impots.gouv.fr/e-reporting-la-transmission-de-donnees-de-transaction-ladministration
https://www.cegid.com/fr/glossaire/facture-electronique-quest-ce-que-le-e-reporting/
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